最近は会社案内撮影の中でも合わせて社員さんのインタビュー写真の撮影や「インタビュー風」写真の撮影なども一緒にしてもらいたいという撮影依頼が増えてきました。
オウンドメデイアや求人用ページに掲載する社員様の声、お客様の声など写真の使い方は様々です。インタビュー写真を使ったインタビューコンテンツを入れることにより、ホームページや会社案内の情報量がぐっと増えます。
今回は普段インタビュー撮影を行っていないカメラマンおよびインタビュー撮影の担当となってしまった方向けに、現役のカメラマンである私・山本がどのような点に気をつけながらインタビュー写真を撮影しているのか、撮り方のポイントを紹介していきます。
インタビュー撮影前、事前の下見・ロケハン
インタビュー写真撮影に大切なのは撮影場所の下見が大切
ロケハンとはロケーションハンティングの略で、写真撮影場所を事前に探すことです。
インタビュー写真の撮影時だけではないのですが、写真撮影全般において撮影地の下見を事前にするということはとても大切です。
ただし必ずしも事前に確認できるとは限りませんので、もし撮影場所の候補がいくつか取れる状態であれば、撮影前に事前下見をした方がより良いインタビュー写真に仕上がるでしょう。
もしあなたが外注のカメラマンだとしたら、依頼者にどのような場所での撮影を想定しているか、事前にインタビュールーム候補の写真を送ってもらうのも良いでしょう。
ロケハンで、チェックする項目は主に以下の点です。
詳細に関しては後述します。
インタビュー写真の撮影に使う部屋の広さをチェック
インタビュー写真を撮影する部屋が狭いと、撮影の際に移動をしたり余計なものが入りやすかったりとあまりいいことはありません。
インタビュアーとインタビューイー(インタビューを受ける人)が座った状態でも、椅子などを移動することなく、カメラマンが簡単に移動できる程度は、最低限必要かと思います。
当日撮影対象となるインタビューイーが何人になるかも確認しておくことも大切です。基本的にインタビュー写真は一人が話をしている様子を撮ることが多いですが、まれに二人以上や対談風の撮影ということになれば、より大きめの部屋を用意する必要もあります。
壁・背景の綺麗さ(白さ)
多くのインタビュー写真を構成する要素として、被写体の次に写真の中で占める面積が広いのが、実は壁です。
例えば背景に絵画や時計、ポスターなどがあるのであれば事前にはがせるか、またドアなども映り込むことがないかなど確認が必要です。
また、壁に関しても白い壁の方が仕上がりは綺麗になります。タバコのヤニによる黄ばみや、壁のつなぎ目などが目立ちにくい場所が理想です。
インタビュー写真 撮影に適したレンズは?
インタビュー写真撮影には中望遠以上のレンズがおすすめ
インタビュー写真撮影で被写体を綺麗に撮影しようとなると、35mm換算で50mm以上の標準~中望遠域をお勧めします。
特段狭い部屋でなければ、私自身は70-70-200mm一本で撮影することが多いです。
インタビュー写真撮影で単焦点レンズは使うべき?
暗い場所かつストロボが使えないという非常に稀な状況での撮影だと稀に単焦点レンズのほうが良い場合もありますが、基本的に撮影時にストロボの使用は必須ですし、インタビュー撮影中は動きに制限がある(インタビュアーの位置や、机があるため必要以上に近づくことができない。また、部屋のサイズによっては動きが制限されることも多いです)ので、私自身インタビュー写真の撮影で単焦点レンズを使用することはほぼありません。
もし明るい単焦点レンズを使いたいということであれば、
このあたりの焦点距離のレンズが使いやすいケースが多いと思います。
しかし、私自身はインタビュー写真の撮影でズームのレンズの使用をおすすめしていますし、私自身もズームレンズを使用しています。
インタビュー写真 撮影でズームレンズを使う利点
私はインタビュー写真の撮影時には、70-200mmのレンズ一本をメインに利用することがほとんどです。
必要以上に近づきすぎず、歪みも減らしながら撮影することができるからです。カメラバッグの中には念の為、広角・標準域のレンズも忍ばせています。
インタビュー中は緊張している方も多く、できる限りカメラマンの存在を意識してもらわないためにも、距離を取れるようにしています。
インタビュー写真 撮影時に必要な明かり・ストロボの話
もし、インタビュー写真を撮る方がカメラマンではなく、社内の担当者さんやライターさんというとこであれば、写真用照明を持ち込むのは現実的ではないでしょう。
その場合は室内でも窓際などの明るい場所で撮影することがより良いです。
カメラマン向け、ストロボの話
インタビュー写真の撮影において綺麗な光は必須です。
インタビュールームは基本的に白い部屋であることが多いため、光は回りやすく撮りやすいとは思いますが、オンシューで天井バウンス撮影をしてはいけません。
弊社にカメラマン応募をしてくださる方の写真作品を見ていますとそのような写真を撮影している人が見受けられるのですが、そのような撮り形でも問題のなかった媒体としては、一昔前の週刊誌のモノクロページ用ではないでしょうか。
オンシューでの天井バウンスは写真自体がのっぺりとしててしまうのでお勧めしていません。
私は時間のないインタビュー撮影の場合も必ず、クリップオンストロボ(Profoto A1)を二灯持ち込み、オフシューで
という構成で撮影することが多いです。
ちなみにモノブロックではなくクリップオンストロボを使う理由としてはセッティングや移動の時間が短縮できることとクリップオンストロボでもクオリティに遜色がないからです。
インタビュー中カメラマンは「黒子」を徹底する
被写体(インタビューイー)の方には極力話しかけないようにしてください。
しかし以下の3点の場合を除きます。
- ネクタイなど服装が乱れている場合
- 机の上を片付ける場合(静かに)
- 両手を机の上に出していない場合
これらの点を気にせずに撮影してしまうと、インタビュー撮影が終わったあとに担当者から注意を受ける可能性があります。
ネクタイなどの服装が乱れている場合
ネクタイや服の乱れは、本人は気づいていないことが多いです。また、インタビューを進めるに連れ、動きとともに服装が乱れることがあるので、服装の乱れに気づいた場合には、タイミングを見計らってインタビューイー本人や企業の担当者に声をかけ、直してもらいます。
机の上を片付ける
インタビュー撮影は多くの場合、インタビュールームにカメラマンとライター、編集者が事前に入っており、そのあと対象となられるインタビューイーがいらっしゃることが多いです。
簡単な挨拶やブリーフィングが終わるとすぐにインタビューが始まりますが、おそらくこの状態では机の上には
などが置いてあるまま進む可能性が高いです。
これらはインタビュー写真において基本的に必要のない情報です。
例えば資料を囲みながら指をさして話をしているなどの場合は、インタビューを遮ることのないよう、静かに写真の中に入らない場所に移動させましょう。
インタビュー中の写真で最も重要なのは被写体となられる方の表情や身振り手振りです。
インタビューの文章の中に何枚か入れ込むことが多い写真なので情報量が多すぎるとインタビュー自体の文章を邪魔してしまうのです。
それを伝えるために不必要な情報は極力フレーム内に入れない方が、写真としては親切でしょう。
机を写さない
場合によっては机を写さずに撮影する
状況によっては机の上のものを移動させることが難しい場合もあります。
テクニックの一つとして、インタビュー中の机を写さないというのも一つの手法です。
インタビュー中、両手を机の下に隠している場合
インタビュー写真をいきいきさせるポイントは被写体の方の表情、特に身振り手振りにあります。
よく「ろくろを回す」と言われますが、身振り手振りで話をしている瞬間を見てシャッターを押すことが必要です。
とはいえ身振り手振りが難しい場合には、両手を机の上に出してもらうだけでも写真の印象は大きく変わるでしょう。
私は撮影前に、インタビューイーがいらっしゃった後、挨拶をし、「インタビュー中も写真を撮らせていただきますので、両手を机の上に出していただきますと助かります。可能なら是非ろくろを回してください(実際に身振り手振りをするふりをしながら)」とお願いすることが多いです。
撮影中、担当者さんには写真は常にリアルタイムに確認してもらう
理想は一眼レフカメラとノートパソコンやiPadを接続し、リアルタイムに写真を転送しながら撮影するテザー撮影です。
上述したように、ネクタイなどの乱れや、必要なものが写ってしまったり、身振り手振りがあまりにもなかったり、と言う場合、写真を取り直すことは基本的に難しいです。特にあなたが、社内のカメラマンではなく、外部のカメラマンですとより、再撮ということは難しいでしょうし、「再撮」という自体は最も避けなければいけない自体です。そのため、撮影しながら必ず私はiPadにカメラ(キヤノンEOS 5D Mark4)から軽めのJPGデータのみ飛ばして、確認をしてもらっています。
これで随時担当者さんも写真が確認できる状態であれば服装の乱れなどが気になった場合、すぐ確認、直すことができます。
ずっと撮り続けない
理由は明快、インタビューを受けている人の気が散るからです。
インタビューで最も大切なのは、あくまでもインタビューの内容であり、文章です。
左右からの表情を撮影できたら、あとはカメラマンは待機しましょう。
資料を出したり、動きが出てきたときにのみ撮影するようにしたり、ポーズ写真をインタビュー後に撮る必要があれば事前に、撮影場所で待機しておくのもありでしょう。
インタビュー写真がうまく撮れない方に、「作り写真」
インタビュー写真は必ずしも「本番」で撮らなければいけないわけではない
インタビュー写真は必ずインタビュー中に撮影しなければいけないと言うことはありません。
もちろん、そのインタビューをしている写真なのですから同時に撮ることが理想ですが、スケジュールの都合上など写真撮影のみということも珍しくはありません。
実は本当のインタビュー写真撮影よりも、「インタビューをしている振りの写真」の方が撮りやすいですし、短時間で終わります。
本来のインタビューのように緊張感は少ないですし、笑顔を引き出しやすかったり、被写体の方に声をかけることもできます。
インタビューをしている風の写真撮影のテクニックとしては
- 被写体の方と距離の近い人をインタビュアー役にする
- 写真的にはインタビューイーが話しているものが欲しいので、「おしゃべり」ではなく、インタビューイーに対する「質問形式」が理想
- 身振り手振りの「ろくろ回し」写真が欲しい場合は、得意なものを解説してもらうと良い。例えば趣味の話など(例:昨晩の野球の解説、子育ての話)
- 真面目な顔が欲しい場合は、仕事の話など、真面目な話を振る。インタビュアー役の人が知らない話だとなお良い。
これらに気をつけていただければ、10分程度で左右からのインタビュー写真を数カット撮影することができます。
対談風写真の作り方
私は対談風の写真が必要で、同時に二人が綺麗に写っている方が良いという撮影以来の場合は極力対談中ではなく、実際の対談後に撮影用に5分から10分程度時間を別途もらうようにしています。
理由としては、実際の対談記事を作る際には二人だけいるのではなくその場にはライター、企業の広報、各関係者がいます。
特に実際ライター側から話を振り、それを対談風にするという手法は珍しくないので、映り込む可能性が非常に高いのです。
机の上には紙資料やICレコーダーが置かれています。
撮影対象者が一人であればファインダーに入らないような画角を調整しやすいのですが、二人以上となるとそうはいきません。
そのため実際の対談が終わったあと、人の移動や片付けが終わった後、「雑談をしてもらえますでしょうか」と2名にお願いし、その様子を撮影するという流れです。
雑談のお題として私がよくお願いするのは
- 休日の過ごし方
- 近くのランチが美味しい店
- 最近の明るいニュース
から話を膨らませてもらうとこが多いかもしれません。
笑っている写真がどうしてもNGということでなければ、にこやかな笑顔の写真を撮るように心がけています。
「雑談」の際にはあまり堅苦しい話でない方が良いインタビュー(対談)写真になるのではないでしょうか。
ちなみに対談中のピンショットは実際の対談中に撮影します。
ロゴ前のポーズ写真、撮り方のコツ
インタビュー写真に付き物なのが、会社のロゴ前での撮影です。
ロゴ前の撮影の場合、受付ということもあり大抵の場合は電話機やその他案内用の紙などが置かれていることが多いでしょう。
これが一枚の写真となると、実は非常に気になります。
インタビュー写真の撮影の際もそうなのですが、写真の中には必要な情報、ここではインタビューイーの顔と会社のロゴになりますが、それ以外の情報(電話機など)は一時的に許可を取り、撮影することが理想だと考えています。
もちろんその場所のものを移動させる前は写真に撮っておき、撮影前と同じ状況に直すこともとても大切です。
ロゴ前での撮影での王道ポージング例
ロゴ前だけではないですが、インタビュー写真を撮影した後に撮影するポーズ写真(私は「立ち写真」と呼ぶことが多いです)に関しては、カメラマン側がインタビューイーに対して、ポージングの指示などを出すことが多いです。
よく使われる代表的なポージング例を紹介します。
ポージング1: 腕組み
ビジネス向けのインタビュー写真撮影で多く使われるのが、ロゴ横での腕組み写真です。
腕を組むことで高圧的な印象を与えてしまう可能性もあるので、侵入写真などの若い人のインタビュー写真でのポーズ写真では慎重に撮影する必要があります。
ポージング2: 手を組む
体の前で手をくるポーズです。腕組みをするよりも柔らかい印象を与えることができます。
カメラマンにインタビュー写真の撮影を依頼する
最後に宣伝となってしまい恐縮なのですが、東京・大阪発の法人向け写真事務所deltaphotoを紹介させていただきます。
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