一眼レフでのHDR写真撮影方法を紹介します

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HDR写真 内観

複数枚の写真を合成して、より広いダイナミックレンジを持つ1枚の写真を作り出すHDRという手法。最近はiPhoneでもHDR撮影に対応し、写真を知らない人も「HDR」という言葉に触れるようになりました。

今回は、一眼レフカメラでHDR写真を撮影するメリットと撮影する方法について解説します。

HDRとは

HDRとはHigh Dynamic Range(ハイダイナミックレンジ)の略で、「ダイナミックレンジ」とは、「識別可能な信号の最小値と最大値の比率」のことを言います(写真の場合、「ラティチュード」と同じ意味で使われることも多い言葉です)。

…と言っても私自身よくわからないのですが、要は写真データが持っている情報の量の多さをダイナミックレンジを呼ぶということになります。明暗差の大きな被写体の場合、基本的にシャッターを一度押して撮影されるデータに関しては、白飛びや黒つぶれといった、「データの損失」が起きてしまいます。

デジタル一眼レフの技術進化により、ダイナミックレンジは年々広くなっていますが、一度白飛びや黒つぶれを起こしてしまった場合、白飛びや黒つぶれといった場所のデータは「ゼロ」なので、いくら加工をしても復元することはできません。

そのため、明暗差が大きな被写体を撮影する際には、同じ画角で違う露出の写真を撮影し、それぞれを合成することで「ハイダイナミックレンジ」な「HDR画像」を加工により作り出すことができるので。

HDR撮影が必要なシチュエーションとは

では、HDRが必要なシチュエーションはどこでしょうか。

「明暗差が大きな場所」の写真を撮影する際です。

わかり易い言葉で言うならば、一つの構図の中に

  • 明るい部分
  • 暗い部分

が介在する場所です。

私が写真撮影をしていて最も多いのは、建物の内観写真を撮影する際です。

基本的に屋外というのは太陽光で明るいですが、屋内はいくら電気がついているとはいえ、暗いことが多いです。

そのため、屋内に露出を合わせると、窓の外は白飛びし、窓の外に露出を合わせると、屋内は真っ暗…ということになるのです。

HDR写真のメリットとは

HDR写真を撮影する最も大きなメリットは先述した通り、白飛びや黒つぶれといったデータ損失のない情報量の多い写真を作ることができるということです。

例えばお客さんが、旅館や高級ホテル、レストランの予約をとる際、重要視するものの一つに内観写真があると思います。部屋の写真の、窓の外が大きく白飛びをしていて真っ白だとどう思うでしょうか。

  • オーシャンビューが売りのリゾートホテル
  • ベランダからの長めが最高なデートに最適なイタリア料理店

これらの、旅館やレストランの「売り」を写真で訴えることができなければ、お客さんはその施設やサービスを利用しようとは思わないでしょう。

つまり、本来であれば「欠けてしまう情報」も、HDR合成を加えることで、より良い写真に仕上がるのです。

HDR写真 合成例

合成前

hotel
宿泊施設の内観写真。窓の外が白飛びしてしまっている。
hotel
窓の外が白飛びしないような露出で撮影。部屋の中は真っ暗になってしまう。

合成後

hotel-HDR-photo
2枚の写真をHDR合成した写真。部屋の外と中、1枚の写真で両方確認できる。

HDR写真 合成例

合成前

meeting-room
ミーティングスペースの内観写真。こちらも窓の外が白飛びしてしまっている。
meeting-room
窓の外に露出を合わせた場合のミーティングスペース。一部部屋の中が黒つぶれを起こしている。 

合成後

meeting-room-HDR
HDR合成後の写真

HDR写真 合成例

合成前

bar-counter
バーカウンターの写真。写真下部の椅子に露出を合わせると、窓ガラス部分が大きく白飛びを起こしている。
窓の外に露出を合わせると、椅子はシルエットになる。

合成後

HDR
HDR合成後の写真、窓の外と部屋の中を両方確認できる

HDR写真のデメリット

三脚
HDR写真の撮影に欠かせない三脚

良いことばかりではありません。仕上がった写真に関してはもちろんHDRで撮影したほうが良いのですが、問題は撮影時と撮影後の加工をする際、手間がかかるということです。

後述しますが、HDR写真の撮影は三脚を使ったり撮影合成ソフトを使った合成を行うなど、時間がかかってしまいやすいのです。

そのため、時間が限られた撮影の場合には、撮影できる写真カット数が少なくなってしまうというデメリットがあります。

HDR撮影・加工に必要な機材

iPhoneでも気軽に撮影できるようになったHDR写真ですが、iPhoneのHDR機能はあくまでも簡易的なものなので、本格的にデジタル一眼レフカメラを使い、撮影するとなるとそうはいきません。

デジタル一眼レフカメラ(もしくはミラーレスカメラ)

スマートフォンやコンパクトデジタルカメラでも撮影できますが、高画質な写真、そして高画質なHDR画像を作るとなれば、RAW撮影に対応したデジタル一眼レフカメラかミラーレスカメラが主流であり、おすすめします。

三脚

HDR画像を作るには、2~3枚の同じ構図の写真を撮影し、撮影後合成ソフトに取り込みます。そのため、理論上すべてのコマのピクセルが一致していなければいけません。

後述していますが、最近では合成ソフトの機能が上がり、手持ちで撮影した場合の、ピクセル連れなどは合成ソフトが自動的に検出して、ズレを修正してくれる機能もありますが、理想的な撮影方法ではありません。

HDR写真では長時間露光を行う場合も多くありますので、手ブレを起こさないためにも、三脚の使用は必要です。

HDR合成用ソフトウェア(Adobe Photoshop Lightroom等)

Adobe Photoshop Lightroom HDR
Adobe Photoshop LightroomのHDR合成機能

撮影後、露出の違う複数の写真を合成するためのソフトウェアです。

様々なソフトがありますが、私はAdobe Photoshop Lightroomを使用しています。

カメラの機能を使ってHDR写真を撮影する

最近のカメラでは、露出の違う写真を連射で撮影し、自動的に一枚のHDR画像に仕上げる機能が搭載されているものもあります。

私が仕事で使っているCanon EOS 5D MarkIVにもその昨日は搭載されています。

正直…おすすめはしていません

私も建物の内観などを撮影する際にカメラ任せでHDR写真を作る機能を使ってみたことも何度かありましたが、失敗することも多く、今では使わずに一コマずつ明・暗分けて白飛び、黒つぶれをしていないカットを三脚を使い何枚か撮影し、撮影後RAWデータをLightroomで合成処理をするようになりました。

失敗の理由としては、撮影時の露出などもカメラ任せ(オートブラケット機能)になるので、そもそも合成前の元写真を撮影している段階で、窓の外が白飛びしてしまうということも多いのです。

三脚に据えている状態でしたら、オートブラケット機能(露出を様々変えながら撮影する機能)を使わず、マニュアル露出で白飛び・黒つぶれを起こしていない写真を撮影するほうが確実です。

そして、RAWの現像処理(色合いや明るさの処理)も自動でカメラ内で行われるため、自分自身の好みの雰囲気と離れてしまう場合が多かったのです。

手持ちでHDR写真を撮影する方法

HDR写真の元となる写真には条件があり、「すべての写真がピクセル単位で同じ画角で撮影されている」ということです。そのため、HDR写真の撮影に関して、三脚の仕様は必須なのです。

しかし、最近では合成ソフトが優秀になり、最近では、合成ソフトの技術も上がり、「ずれている写真」でも自動で認識しHDR画像を作れるようになったのです。

手持ちでHDR写真のもととなる写真の撮影する方法を紹介します(つまり、露出の違うすべてのカットをできるだけずれることなく撮影する方法です)。

オートブラケット機能の利用

先程、カメラ側で明るい写真や暗い写真など露出を自動的に変えて撮影するオートブラケット機能は三脚仕様時使わないほうが良いと書きました。ただ、手持ち撮影の場合というのはじっくり構図を構えることもできないことも多いですし、そもそも固定されていないため、露出補正のダイヤルことで、各コマがずれてしまいます。そのため、高速連写モードで、オートブラケット機能を使用し、写真を撮影します。

手ブレしないシャッター速度で撮影

元のデータがぶれてしまっていた場合には流石に合成ソフトでも対応ができません。

HDR用の写真を撮影する際、オートブラケットにより非常に遅いシャッタースピードになる場合もあります。

そのため、できるだけ高感度で、手ブレが起きないように撮影をしましょう。

撮影時に手ブレを防ぐために息を止めるのも大切です。

結局、HDR用の写真撮影は三脚ありのほうが楽

手持ちでもHDR写真を撮影することは不可能ではありません。ただし、写真自体がぶれていたり、じっくり構図を決めることができなかったり…とデメリットが非常に多い撮り方なのです。

もちろん、サブ的な撮影の場合ですと、手持ちでの対応もありだと思いますが、物件の撮影等の場合は、HDRで対応をしなければいけないシーンも出てきます。

そのため、物件写真の撮影の場合、三脚を持ち込むことが結果として良い写真を撮影できる近道なのです。

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