iPadでWi-Fiテザー撮影するワザ|ShutterSnitch

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iPad

会社案内やホームページ写真、プロフィール写真などの写真撮影となると、イベントの記録写真とは違い、カメラマン一人だけの判断ではなく、クライアントやディレクターなどと確認をしながら勧めていく必要があるものが多くあります。

私自身現役のカメラマンですが、撮影時には必ず、EOS 5D MarkIVとiPadをWi-Fiで無線接続し、写真を撮影しながらiPad上に撮影した写真をrealtimeに表示させるテザー撮影(連結撮影)を行っています。

プロのカメラマンの間でも、無線でのテザー撮影をするカメラマンは増えてきているように思います。

今回は私が撮影の時に必ず使っているiPadを利用したテザー撮影について、紹介していきます。

テザー撮影とは

Hasselblad H5D Studio Photo Shooting
写真右上のケーブルが、テザー撮影用の有線ケーブル。カメラボディはHasselblad H5Dである。写真中央の細いケーブルはシャッターとストロボの発光を同調させるシンクロケーブル。

一眼レフなどのデジタルカメラで撮影した写真に関しては、基本的にそのカメラの背面液晶で撮影した写真を確認することになります。

しかしこれでは、仕事の撮影など、多くの人が関わる写真撮影の場においての写真の確認をスムーズに行うことはできません。

そのため、パソコンとカメラをUSBケーブルなど(HasselbladやPHASEONEといった中盤デジタルカメラのテザー撮影の場合、ファイル容量が大きいのでFireWireなどのケーブルを使うこともあります)で接続し、撮影をしながらパソコンにリアルタイムにデータを転送し、ノートパソコンなどの画面でクライアントやデザイナー、アートディレクターなどと写真を確認し合いながら、撮影を進めるという方法です。一眼レフカメラで撮影したデータを次々と接続・連結(tether=テザー)したほかのデバイスに転送し、大きな画面で確認できるようにすることを「テザー撮影」と呼びます。

また、パソコンやMacに入れるテザー用のソフトウェアとしてよく使われるものとしては

  • Adobe Photoshop Lightroom
  • Capture One

などがあります。

もちろん現在でも有線でのテザー撮影があるのですが、カメラマンによっては無線のテザー撮影にシフトしていく人も増えてきました。私自身も、有線のテザー撮影から、iPadのWi-Fi機能を使った無線でのテザー撮影にシフトしたカメラマンの一人です。

テザー撮影の最大のメリットは「リスク回避」

ある日のプロフィール写真撮影会の様子。背景紙の左側にある大きな傘が照明。このようなプロフィール撮影の現場でもテザー撮影し、被写体の方にデータを確認してもらう。

有線・無線に限らず、テザー撮影の最大のメリットは、関係者にその場で撮影したレタッチ前の写真を確認をしてもらいながら、撮影業務を進めることができるリスク回避にほかなりません。

カメラマンがクライアントに写真を見せることなく、そのまま自分の思いだけで写真撮影を行い、自分の思いだけで現像処理を行えば、クライアントからすると「こんなものは期待していなかった」ということになりかねません。再度写真撮影を行うとなると、莫大な予算が必要となる場合もあります。だからこそ、写真を共有しながら慎重に進めていかなければなりません。

結果として、テザー撮影をすることでクライアントに安心をしてもらい、満足度の向上、リピートの発注につなげることができるものだと考えています。

iPadで無線テザー撮影することのメリット

「JPEGのみ転送」機能はとても使いやすい。

Wi-Fiでの無線テザー撮影をすることで、以下のようなメリットがあります。

LightroomやCaptureOneを使った有線でのテザー撮影と比べて以下のようなメリットがあります。

  • 移動が多い撮影の場合など、持ち運びが容易
  • RAW+JPG撮影時にJPGのみ転送など、素早いデータ転送が可能
  • 無線などで途中でケーブルが抜けることがない(有線の場合USBケーブルが引っかかったりするトラブルが多い)
  • 一度接続すると接続が切れにくい(優先の場合、ケーブルがつながったままカメラを動かすので、接続トラブルが起きることがある。また「切れにくい」としたのはEOS 5D MarkIVのWi-Fi機能を利用した場合での経験により。他のWi-Fiのシステムによっては切れやすい可能性もあります)
  • Wi-Fiなので遠くまで写真データを飛ばせる(有線の場合ケーブルの長さにも夜が3m程度までということが多い)
  • iPadなのでクライアントが直接画面を操作しながら写真を確認してくれやすい

また、例えばグラビアのような撮影になると、露出の多いシーンの撮影によっては、撮影現場によってはモデルとカメラマンのみ部屋の中に入り、部屋の外にWi-Fiで接続したiPadにデータを飛ばすことで、クライアントが確認する、といった撮影をするグラビアカメラマンも居るとのこと。

iPadでテザー撮影することのデメリット

私自身はiPadでの無線のテザー撮影に関してデメリットを感じることは撮影中あまりないのですが、あえて挙げるのであれば以下の点でしょう。

特にスタジオでの大型広告の撮影となると有線でのテザー撮影が主流です。カメラやパソコンを移動することなく撮影をするような案件となると、撮影したデータをそのまま転送し、その場で現像処理をかけられる有線のほうが優れているためです(安定度を上げるため、ノートパソコンではなくMacProといったデスクトップ機を使うことも多いです)。

  • RAWデータの事前に処理した色合い・明るさ調整をしながらの撮影ができない
  • 撮影開始時にiPadとカメラを接続するまで有線より時間がかかる場合がる
  • RAWデータをiPadに転送するなどの処理をする場合、無線などで時間がかかる(iPad上でRAWデータの現像を行うことは考えにくいので、こちらも運用的には問題ないかと思います)

iPad+ShutterSnitchでテザー撮影を行う

ShutterSnich logo
ShutterSnitchのロゴ

では、いよいよiPadでテザー撮影を行う方法です。

私も様々なツールを試してきたのですが、撮影したデータが次々と送られて、その度に画面に表示される写真が変わる、といったパソコンでのテザー撮影と同じ感覚で使えるツールは唯一つで、「ShutterSnitch」というアプリケーションになります。

残念ですが、この記事を書いている段階で、EOS Remoteなどでは期待した動きのテザー撮影を行うことはできないようです(品川のキヤノンのショールームでも同じ回答でした)。

ShutterSnitchを入手する

ShutterSnitchはApp Storeにて入手できます(¥2,900)。パソコン用のテザーソフトと比較するとかなり安価で入手することができます。

ShutterSnitchとカメラを接続する

以前はShutterSnitchでの設定はとても複雑なものでした。

しかし、バージョンアップすることにより、説明のとおり進んでいくとするにわかりますので、ここでは細かな説明は行いません。

ShutterSnitch対応カメラ

対応カメラリスト 1
対応カメラリスト 2

実際にShutterSnitchが対応しているカメラというのが型番ごとに掲載されている情報は見つけることができませんでした(ShutterSnitchの情報、ネット上ではなかなか見つけることができません…)

  • EOS 5D MarkIV
  • EOS 6D MarkII

これらのカメラのWi-Fi機能を使い、ShutterSnitchを使えるというのは確認しております。

EOS 5D MarIVに関しては私が実際に仕事で使っているカメラです。

また、ShutterSnitchの「設定ガイド」を確認すると以下のようなデバイスが対応しているようです。

  • Eyefi mobi / mobiPRO
  • Canon WFT /Nikon WT
  • Nikon WU / 内蔵Wi-fi
  • CANON EOS Wi-Fi
  • CANON PowerShot Wi-Fi
  • Panasonic
  • GoPro HERO
  • SONY α7
  • Fujifilm Wi-Fi
  • Transcend Wi-Fi
  • Toshiba FlashAir
  • PQI Air / Air Direct
  • Ez Share
  • Eye-Fi classic

(Eyefi mobiに関しては私自身も以前使ったことがあるのですが、おそらくEyefi mobi側のスペックの問題でWi-Fiが非常に切れやすくなっていますので、個人的にはあまりおすすめしていません)

まとめ

iPad Pro
12.9インチiPad Proに落下時の衝撃吸収のためのケースを付けている。撮影中移動が多いと、どうしても機材の落下事故が起きてしまう可能性破綻できないため。

ShutterSnitchは有料のツールですが、料金以上の動きをしてくれます。

この無線でテザー撮影を行う前は、私はMacBook ProにCaptureOneを入れて、USBケーブルでテザーをしていましたが、このツールを導入した結果、CaptureOneの契約を解除し、~に一本化したのです。

ShutterSnitchはiOSが入っているデバイスであればiPhoneにも対応しているようですが、クライアントに共有をするということでしたら、一番画面サイズの大きい12.9インチのiPad Proをおすすめします。10.5インチですと大人数で見る場合にどうしても物足りなくなります。

テザー撮影自体を億劫に思うカメラマンにも、私自身多く会ってきたのですが、仕事で撮影するにしても、作品を撮るためでも、最終的に良いものを撮影するとなると、この「ひと手間」をかけることで、撮影自体もスムーズに行えるようになると考えています。

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